【後悔しない漏斗胸手術】成人30代がNuss法を決断した結果!(病院選択編)
手術をする決心がついたのも束の間、次の悩みは「どの術式で手術を受けるのか」「どの病院で手術を受けるのか」です。
術式という視点で選択肢に挙がったのが、「Nuss法」、「新Nuss法(従来のNuss法に改善を加えたもの)」、「胸肋拳上術変法」です。
医療機関という意味では、「香川大学医学部附属病院」、「西宮渡辺心臓脳・血管センター」、「湘南鎌倉総合病院」です。
※厳密には”医療機関”で悩んだわけではなく、手術の決心ができる”医師”がどの病院に居るか(本記事公開現在)ということなんですが、個人名を記載するのははばかれる為、医療機関名で記載します。
※現実には上記以外の病院も選択肢にはあったんですが、ただのネガティブキャンペーンになってしまいそうなので、そちらについては完全に割愛します(上記3つは前向きに考えていた医療機関です)。
人それぞれの判断ですし、私自身もこの選択の結果がどうなるかは現時点では不明ですが、どう悩みどう考えてどう決めたか、あくまで一個人の意見としてご参考にしていただければと思います。
漏斗胸の手術どうする?術式は?病院は?
KIRO選択ポイント
- 漏斗胸の手術を受けることを決心した。
- Nuss法とか胸肋拳上術とか術式が色々あってどうすればいいのかわからない。
- 最寄りの病院でも手術はできそうだがどうすればいいのかわからない。
「香川大学医学部附属病院(形成外科)」で漏斗胸の手術を受けることにしました。
<ご参考:前回まで>
【後悔しない漏斗胸手術】成人30代がNuss法を決断した結果!(手術決断編)
1.術式/病院で悩む
基本的な判断軸としては、「その方法が理屈上、自分で納得できるかどうか」、「長い目で見てリスク回避ができるかどうか」、「先生が信頼できるかどうか」の3点で考えていました。
(1)「Nuss法」か「新Nuss法」か
これについては、「専門医受診編」で記載した内容のとおりですので詳細は割愛します。
【後悔しない漏斗胸手術】成人30代がNuss法を決断した結果!(専門医受診編)
いわゆるNuss法を実施する病院でも先生のお話しは聞きましたが、それでなぜ治るのかが自分には理屈がよくわからなかったため、選択肢からは外しました。
特に骨が柔らかい時期(子ども)においては従来のNuss法で十分綺麗になおるとのことです。Nuss法そのものを選択肢から外すべきということではなく、各々の状態によって選択肢が異なり、私の身体の状態では単純に持ち上げるだけでは治らないと思いました。 従来どおりのNuss法にするか、Nuss法を改善した方法にするか、まったく別の選択をするかを患者さんの状態に合わせて選択肢を持っている病院(患者の状態とそれに合わせた選択肢を説明してくれる病院)が患者側にとっては理想なのかもしれませんね。
(2)「香川大学医学部附属病院」か「西宮渡辺心臓脳・血管センター」か
イイ意味で、正直どちらでもよかったです。
直接お話しを聞いたわけではないので定かではありませんが、西宮渡辺心臓脳・血管センターの先生も「新Nuss法」をされているというのをどこかの情報で見たような気がしており、すごく実績のある先生でもありますし、どちらでも良いと思いました。
病院までの物理的な距離を比較しても都内からはどちらも同じようなものだったため、手術云々は全く関係ない次元で、これまでの人生でほぼ縁のなかった「四国」に興味があって「香川大学医学部付属病院」を選択してみたという感じです。
それ以外の理由を強いて挙げるとすると、手術後も長期的なお付き合いになりそうである為、年齢的に若い(実績が豊富なのは大前提)に越したことはなかったというのが一つの理由です(香川大学の先生の方が若いと勝手に思っているのですが、間違ってたらすみません)。
また、漏斗胸治療への熱意が香川大学のホームページだけからでもひしひしと伝わってきた(笑)というのも一つの理由です。
実際に先生とお会いしてみると、「本当に真剣に漏斗胸のことを考えて治療してくれる先生なんだろうな」っていうのは心の底から感じさせてくれます。
私自身がそうですが、医療機関を選ぶにあたって、『病院の近さ』は二の次でした。範囲で言うなら『日本!』と思っていました(笑)どこでも気軽に出来るような手術ではなく、『近いから』という理由だけで決めるのは危ういです。
(3)「新Nuss法」か「胸肋拳上術変法」か
これについてはかなり揺れました。
「金属バーを留置する必要もなく、身体に負担が少ない手術」とのことで、実際その点は大きな魅力です。
なんなら、湘南鎌倉総合病院(胸肋拳上術変法)に行って直接お話しを聞いていたら、そちらを選択していたかもしれません。
・・・が、結論としては「新Nuss法」を選択しました。
まず1点目の理由が、判断軸の一つにしていた「その方法が理屈上、自分で納得できるかどうか」という点です。
説明内容を見て考えてはみましたが、理屈上それでなぜ治るのかが理解できませんでした(直接お話しを聞かないまま無責任なことも言えないため、詳細な理由は割愛します)。
2点目は、肋軟骨を切除する手術だという点です。
肋軟骨を手術で短く(切除)して接合する術式とのことですが、なんというか、感覚的に「今まで身体の中に在ったものが失くなる恐怖」を感じるというか。
かなり極端な話しですが、Nuss法は後戻りしたとしても「後戻りしただけ」とも言えるんですが、こと切除して失くなった場合においては「後戻りですらない(やり直しがきかない)」と言いますか。
3点目は、その術式を実施している医師が少なすぎるという点です。
「手術が難しいから出来ない」というお話しもありますが、仮にそれが本当にそうだったとしても「その人にしかできない仕事」というのは社会通念上でリスクだと私は感じてしまいます。
そして、そもそも、これだけ多くの医師が居る中で、切除して繋げる手術に対して「難しいからだれも出来ないだけだ」という理由に終始するのはさすがに無理があるようにも思います。
どちらかというと「できるけどやらない理由がある」と考える方が自然な気がします。
その点においては、Nuss法をされている先生に「なぜご自身は胸肋拳上術変法を行わないのか?」と聞いてみるのも良いかと思います(〇〇タイプの凹み方の人だと綺麗にならないとか、確実に後戻りするとか、色々ご意見があるようです)。
逆に、湘南鎌倉総合病院で胸肋拳上術変法の欠点についても直接お話しを聞いてみても良いと思います。
Nuss法の欠点は分かり切っていますが、胸肋拳上術変法の欠点も理解した上で比較するのが良いのではないでしょうか。
すみません、選ばなかった理由を列挙した関係でネガティブな内容になってしまいましたがそういうつもりはなく、話しは冒頭に戻り、実際かなり前向きに悩んだ選択肢の一つであり、負荷が少ないという点においてはやはり魅力的な術式であることには変わりはありません。
今回は自分の判断軸や自分の身体の状態から総合的に考えて私は選択肢からは除外しましたが、これに関しては、メリット/デメリット、合う/合わないを慎重に見極めることが必要かと思います。
(4)雰囲気の良さ
超主観ですが(笑)、香川大学病院のスタッフの皆さん、人柄がめちゃくちゃイイです!
検査を担当してくださった方も含めて、いままで関わった方々みんな話してて心地よいんです。
土地柄なのかなんなのかわかりませんが、「やさしい」というか、「フレンドリー」というか、「あたたかい」というか、・・・めっちゃ包み込んでくれる感じです(笑)
うちの最寄りの病院ではあり得ない雰囲気だなーとか思ってました。
先生への信頼感はもちろんのことですが、純粋に「ここのスタッフさんが居てくれるなら乗り切れる気がする」と思わせてくれたこと(安心感)も香川大学病院に魅力を感じている理由です。
2.香川大学医学部附属病院のあれこれ
(1)手術までのスケジュール
タイミングによると思いますが、私の場合、手術をする日は、診察日から起算して11カ月後の予定です。
予約ができるのが最短でも8か月後とかだったんですが、入院が月マタギにならないような調整をお願いした結果、11カ月後しか空いていませんでした。
基本的な流れとしては、「診察」⇒「術前検査(手術日の前2カ月以内に実施)」⇒「入院(手術)」ということになりますので、3回ほど病院を往復することになります。
健康保険に加入している方であれば健康保険の高額療養費(限度額適用認定)を適用することになりますが、例えば手術が月末で、入院が月をまたいでしまう場合、同じ手術&同じ入院日数だとしても、医療費が高騰します。詳細説明は割愛しますが、「高額療養費」の制度については確実に調べて抑えておくことをオススメします。
(2)高松空港からのアクセス
羽田空港から高松空港まで飛び、そこからバスや電車を経由して香川大学医学部附属病院に向かっていました。
いろんなルートはありますが、私同様、遠方から飛行機で高松空港に着陸してから向かう方向けにご参考までに。
★宿泊地は「瓦町」が便利!
わざわざ飛行機で遠方から来る方はきっと前泊されると思いますが、どう考えても「瓦町駅」周辺に泊まるのが便利です。
何も調べずにはじめはとりあえず高松駅(高松築港駅)に泊まればいいかと思ってましたが、上記地図の通り、位置関係とルートを調べた結果、高松駅よりも瓦町駅の方が近くなります。
瓦町駅で唯一不便だと感じる点は、帰りのバス(高松空港行き)が少ないことです。高松駅(高松築港)から乗れるバスの本数に対して、約半分ぐらいの本数になります。行きのバス(高松駅行き)は瓦町駅も停車するんですが、帰りのバス(高松空港行き)だとなぜか瓦町駅は半分ぐらいスキップされます。結果、かなり早めに空港に行って、のんびりご飯食べたりお土産見たりしてました。
瓦町駅周辺、店自体は多いんですが、ランチタイムが明確なようで、昼2時過ぎるとびっくりするぐらい店が閉まってます。駅ビルのレストラン街(?)にある店ですら閉まってました。移動の関係で遅めのランチを取るつもりだったのですが、完全に路頭に迷いました。結局その日は開いてる店を見つけることができず、ランチ抜きで晩御飯(夕方)まで耐えました・・・。
「高松駅」と大学病院のある「高田駅」は別の路線です。「高松駅」がJRで、その近くにある「高松築港駅」がことでん(=瓦町駅、高田駅がある路線)です。徒歩3分ぐらいの距離感でした。
個人的に気に入ってて毎回利用させてもらっているホテルが「エクストールイン高松」です。2019年オープンで建物が新しく(記事作成現在)、清潔感があります。
また、余談ですが、ホテルの隣りにある「肉の近どう」という焼肉屋さんに1人焼肉用のメニュー(記事作成現在)があり、そこでゆっくりお酒飲みながら焼肉を食べるのもお気に入りです。
①「高松空港」⇒「瓦町駅」(高松空港リムジンバス)
地図を見てお気づきでしょうか。
空港から主要駅まで、バスで行くしかありません。
空港から主要駅まで、電車が走っておりません。
バスで30分の距離なので、タクシーはたぶんお高くなると思います。
・・・ということで、リムジンバス一択です。
ちなみに、飛行機の便に合わせてバスの時刻が設定されているようで、飛行機との接続が悪くて待ちぼうけになるということはなさそうです。
逆に、飛行機の到着が遅れたときにめちゃくちゃ焦りましたが、リムジンバスが発車を待ってくれていました。
自由席なので、特に事前の予約とか不要です(空いてます)。そして、高松空港内にチケット売り場があって一瞬「ココで切符買うのか!?」って戸惑いますが、交通系ICカードを持っていたらわざわざチケットを買う必要もありません。交通系ICカード使えます。SUICA、PASMO、使えます!リムジンバスに乗り込むときに、ドアの入り口でピッてして、空いてる席に座るだけです。
②「瓦町駅」⇒「高田駅」(高松琴平電気鉄道長尾線)
2両編成の電車がお出迎えしてくれます。
もしかしたら時間帯によっては混雑とかあるのかもしれませんが、平日の日中しか乗る機会がなかったのでよくわかりません。
少なくとも病院に行くような時間帯はほぼ人が居ません。
確実に座れます。
電車でも交通系ICカード使えます。SUICA、PASMO等々使えます!
③「高田駅」⇒「大学病院」(ことでんバス)
本数、少ないです。
駅から大学病院まで一区間だけなので、歩こうと思えば歩ける距離です。
写真とか撮りながら大学病院までトボトボ歩いて、ちょうど20分でした。
歩ける距離ではあるんですが、大学病院の手前に上り坂もあるので、暑い日とかはちょっとだけ辛いかもしれません。
私自身は景色見ながら歩くのが好きなタイプなので、毎回歩いてます(帰りはバスに乗ってます)。
ことでんバスでも交通系ICカード使えます。SUICA、PASMO等々使えます!
バスの路線図を見てお気づきかもしれませんが、「大学病院線」を利用することで、瓦町から大学病院までバス一本(40分ぐらい)で行けるようです。使ったことないので詳細は不明です。
(3)術前検査
術前検査の内容は、「血液検査(採血)」、「心電図」、「呼吸機能検査(肺活量)」、「診察(形成外科)」、「診察(麻酔・ペインクリニック科)」、です。
麻酔科ではアレルギーや常備薬等々のまあ基本的なことを聞かれた後、全身麻酔や硬膜外麻酔についての説明をしてくださいます。
形成外科では改めて疑問点の確認や、手術に向けての色々なサイン(同意)を行いました。
ちなみに、初診のときに紹介状なしで突入したので、術前検査がどんな扱いになるのかちょっとドキドキしていましたが、保険適用(3割負担)になっていました。
支払った費用としては、ちょうど5千円程度でした。
結果
・・・ということで、「香川大学医学部附属病院(形成外科)」にて手術を受けることが確定しました。
この選択が正しいのかどうかは正直分かりませんし、再手術をするということも当然無いと思っているので結果的に他の病院と比べてどうだったという比較をすることも現実的にはできません。
ただ、「自分自身で悩みに悩んでちゃんと納得した上で決めたのが香川大学だった」ということは間違いない為、結果としてはそれがすべてなのかなと思っています。
再三繰り返しているとおり、私自身は医者でもなんでもないので、何が正しいのかなんて知りません。
選択は各々だとは思いますが、各々が考えに考えて「ココで手術をお願いしたい!」っていう病院が見つかったのであればその選択に自信をもって前向きに突き進むべし!です。