【リヴァトレ】実際に利用してみて本気でおすすめするリワーク施設!その効果は?
当ページをご覧になっている方は、恐らく、現在休職中で「リワーク」とやらを検討していることかと思います。
私自身、主治医に「リワーク」を勧められ、利用するかどうか当時はかなり悩みました。
「効果あんの?リワークとやらに数カ月も消費する価値あんの?」
・・・何さまレベルの姿勢(笑)です。
そんな懐疑的な状態でリワークを経験した身ですが、
結果、
「おいおい、素晴らしい場所じゃないか」
・・・むしろ復職せずにこのままずっとリワークに通い続けたいと思う勢いでした。
今回は、リワークの中でも、東京中心にサービス展開されている「リヴァトレ」についてご紹介します。
「リヴァトレ」に関して、ネットで検索してもあまり的確な情報が入って来ずにイメージできない部分が多々あるかと思います。(私自身がそうだったので)
少しでも検討中の方々の判断材料になればと思い、実際に利用した目線で、以下ご紹介します。
うつや適応障害で休職。自力で復職する?リワークを利用してみる?
KIRO選択ポイント
- 過労やストレス等により、うつ病や適応障害など体調を崩している。
- 生活リズムが安定しない。整えたい。
- 身体的な症状は回復しつつある。
- 心の状態に不安があり復職できる自信がない。
リワーク施設「リヴァトレ」を利用してみる!
リワークとは?
「リワーク」とは、復職に向けてのウォーミングアップ(プログラム)を意味しています。
会社の近くの場所に擬似的に出勤する「通勤訓練」や、時短勤務等で身体を馴らす「リハビリ出勤」とは異なり、休職中(離職中)に各プログラムを受講することにより、復職(再就職)に向けてより万全な態勢に整えていく為のものです。
うつ病や適応障害などの精神疾患は復職後に再発する可能性が高く、復職前にストレス耐性を高めることで、再発率を下げる側面もあります。
リワークって何するの?どういう人が利用しているの?
プログラム内容はリワーク機関によって異なるため一概には言えませんが、例えば「グループワーク」や「スポーツ」などが実施されることが多いようです。(「リヴァトレ」のプログラム概要については後述します)
利用者も様々ですが、「うつ病」、「双極性障害」、「適応障害」などメンタルに不調のある方が主に利用されており、休職中の方はもちろん、離職中の方も利用されています。
リワークに「通う」こととなる為、身体的な症状がある程度改善してきたぐらいの状態(少しでも通うことができる状態)の人に勧められるケースが多いです。
実際の仕事に近いワークを行い負荷を高めることで身体を馴れさせるという側面もありますし、「生活リズムが整えられない(朝起きれない、夜眠れない、等)」、「食欲があまりない」、など、生活面での課題解決に取り組むための手段としても利用されます。
リワークって効果あるの?
効果の有無については、誰しもが懐疑的になる部分かと思います。
あくまで目安ではありますが、リワークは最低でも大体3カ月以上利用することが推奨される(効果がみられる)ものです。
「それだけの期間をかけて効果がなかったら・・・」と不安視してしまうのは至極当然のことです。
ただ、経験上の私見ですが、「早く戻らなければ」と思っている段階は、実際はまだ戻る段階ではないと思います。
休職による経済的な不安があることは共感しますが、広い視野を持ち、焦らずにゆっくり体調を整えるメリットも検討してみてください。
回復の早さや効果は人それぞれあるかと思いますが、少なくとも、後述する「リヴァトレ」を利用していて後悔をしている人は、私の知る限り(同じ利用者と話す限り)では出会ったことはありません。(他のリワークを知らない為、あくまで「リヴァトレ」に限定しますが)
リヴァトレとは?
リヴァトレとは
「リヴァトレ」とは、主に東京にリワーク拠点を構える企業「㈱リヴァ」が運営するリワークプログラムです。
「品川」、「市ヶ谷」が離職者用の拠点となっており、「お茶の水」、「高田馬場」が休職者用の拠点となっています。
どんな位置づけ?どんな評価?
「リヴァトレ」は病院(主治医)から推奨されることもあれば、会社(産業医)から推奨されることもあります。
また、会社によっては、「リヴァトレに通うことが復職の条件」としていることもあるようです。
事実、リヴァトレのスタッフが同行して通院(主治医の考えをリヴァトレスタッフが理解することを目的として)することも場合によってはあります。
また、利用者の勤務先から希望されて(もちろん利用者経由で)、リヴァトレのスタッフも勤務先との面談に同行することもあるようです。
「そこまで一緒になって考えてくれるってスゴっ」と私自身も驚きましたし、病院や企業からも信頼されている印象です。
開所(利用)時間
基本的に平日のみ開所となっており、「午前のプログラム」と「午後のプログラム」の2つに分かれています。
午前のプログラム | 【開所時間:9時】 ●プログラム実施時間:10時~12時 |
---|---|
(お昼休み) | (12時~13時) |
午後のプログラム | ●プログラム実施時間:13時~15時 【閉所時間:16時】 |
午前のプログラムだけ受けて帰ることもできます。
午前は受けずに、午後のプログラムだけ受けることもできます。
終日利用(午前、午後のプログラムを両方受ける)こともできます。
プログラムを受けるかどうかは自分で予定を組む為、プログラムを受けない日(休み?)を作ることも可能です。
また、予定していたとしても、体調がすぐれないときは欠席することももちろん可能です。
状況に応じて、「自習時間」にすることも可能です。
利用料(実質負担額)
利用者が実際に支払う額は、1日あたり「953円」となっています。
※最初の30日間は、1日あたり「997円」です。
※前年の所得に応じて、無料、もしくは月の上限額が設定されることがあります。
※「午前だけ利用」、「午後だけ利用」、「終日利用」、いずれにしても費用は1日あたりの金額がかかります。
※利用料は改定される可能性もありますので、リヴァトレへ直接問い合わせるのが安心です。
・・・と書くと、「自分の場合はいくらになるの?」と混乱するかもしれませんが、平たく言うと、仮に1カ月間毎日利用(平日5日間を4週間)したとしても、最大でも19,940円(=997円×20日間)で収まりますよ。・・・というお話しです。
要は、どんだけ頑張って利用したとしても、「1カ月最大20,000円以下になる」という費用感です。
利用者は何人ぐらいいるの?
利用人数については、1つの拠点の1つのプログラムに対して、少なくて1~5人程度、多くて20~30人程度、といったイメージで良いかと思います。
・・・あくまでイメージです。
人の出入りが随時ある為、その時期によって異なりますし、拠点によっても異なります。
また、毎日利用する人もいれば、週1のみ利用する人も居たり、午後だけ利用する人も居たり、日々異なります。
プログラム具体例(一例)
プログラムの具体例を以下ご紹介します。
以下のプログラムが、午前or午後のプログラムとしてスケジューリングされており、必要に応じて参加します。
※拠点によってはプログラムの有無や内容が異なる可能性があります。
(自習)
他にも、会社から出された課題を実施したり、認知行動療法の自習用プログラムを実施したり、字のごとく、用意されたプログラムには参加しないものの、他にやりたいことがある場合に「自習」として時間を使うことができます。
また、体調がすぐれず、プログラムに参加することが難しい場合に自習にするという使い方もあります。
生活習慣見直しプログラム
チェックリストから自分自身の生活習慣の状態を把握し、グループ内でその状態を共有することで、他の利用者から助言を得て、生活習慣の見直しをはかります。
例えば、私の場合は、フルーツを食べる習慣がなかったためフルーツを摂取するための習慣づけについて方法を検討したりしました。
ウォーキング
スポーツ
記事要約&プレゼン
資料作成後、3、4人程度のグループに分かれ、グループ内で一人ずつ順番にプレゼンテーション(作成した資料を用いた発表)をします。
また、グループ内でのファシリテーション(進行役)も希望により利用者が担うことが出来ます。
資料作成や時間管理、人前での発表などを通して、仕事の感覚を取り戻すのに近づけます。
PRトレーニング
「〇〇の良さを他のグループにPRする」という設定でテーマが与えらます。
例えば、「肥満を気にしている女子高生に勧める食品は?」といったテーマです。
グループでプレゼン方針を考えて資料を作成する点や、超短時間での資料作成で負荷がかかる点、他グループからの指摘にいかに反論するかという対応力など、より仕事に近い実践型のプログラムです。
疾病理解(うつ、双極、不安、等)
集団認知行動療法
人は、何かストレスを感じた時に、「感情」、「考え」、「行動」、「身体反応」の4要素が発生します。
これらの4要素は相互関係を持っており、ネガティブな「感情」をうまくコントロールする為に、「考え」や「行動」を変えていこう(コントロールしよう)という考え方が、認知行動療法です。
ストレス対処を適切に行い、疾病の再発を抑えることを目的として、本プログラムを通して認知行動療法を習得することができます。
人は誰しも歪んだ考え方(完璧主義、すべき思考、等々)を持つことがあり、その歪んだ考え方から発生する感情(不安、怒り、等々)に自分自身が苦しめられることがあります。
集団認知行動療法を通じて、歪んだ考え方を少しでも適切な考え方にコントロールしていきます。
ダイアログ
例えば、「”幸せ”とはなにか?」といったテーマです。
一つの答えを定めるための「議論」ではないため、他者の発言内容を否定することもなく、発言の順番があるわけでもなく、何か考えが浮かんだタイミングで、思ったことをただひたすら発言します。
利用者自身がテーマを出すことも可能となっており、色々な人の考え方を聞いてみたいときなどにも利用されます。
自己主張(自分の意見を発信する)のトレーニングにもなります。
テーマトーク
4~5人のグループに分かれ、一人一人の悩みを順番にグループ内で話し合います。
例えば、「二度寝してしまって朝起きれないのだが、二度寝を防ぐ良い方法は?」といった内容のものです。
複数人の経験や意見を通して、悩みを解決するヒントを得るという目的があるのももちろんですが、対話を通じてコミュニケーションを取るトレーニングにも利用できます。
グループワーク
テーマは本当にバラバラで、例えば「リストにある15個の物の中から、無人島に持っていくのに必要な物の優先順位をつけなさい」等の新入社員研修でありそうなグループワークもあれば、「言葉やジェスチャー禁止で〇〇をする」といったようなゲーム性の高いものまであります。
目的はテーマごとに異なりますが、グループで意見や考え方を合わせて一丸となって課題を達成するという点で、楽しいながらも衝突も発生しやすく、グループでのコミュニケーションを学べるプログラムかと思います。
アサーション
このうち、「アサーティブ」なコミュニケーションを取れるようにトレーニングをしましょう。というのが、この「アサーション」というプログラムです。
ある設定シーンの中で、「相手の気持ちも尊重しつつ、自分の考えもしっかりと伝えるにはどういう発言をすると良いか?」という点を考えます。
そのシーンに合わせたロールプレイングを実施し、そのコミュニケーションによって実際にどのような心象を受けたかということを検証していきます。
農作業
結果
はじめはあれだけ「早く復職したい」と願っていたにも関わらず、リヴァトレを利用するようになってからは、正直、復職したくなくなるぐらい、心地が良い毎日を送れるようになりました。
もし同じような境遇に陥った友人が居たとしたら、確実にリヴァトレの利用を勧めます。
私は当初、集団認知行動療法を受けることだけを目的として、リヴァトレを通うことを決めました。
実際利用して思うのは、確かに集団認知行動療法も役に立ったのですが、それ以上に得られるものがリヴァトレにはありました。
休職をすると、家に引きこもる日々が続いてしまいがちです。
結果、生活リズムもめちゃくちゃなことになります。
また、一人暮らしであれば誰ともコミュニケーションを取らない日も発生するでしょう。
世帯を持っている方でも、家族ぐらいしかコミュニケーションを取らない日が多いのではないでしょうか。
体調を元に戻していくには、「生活リズムを整えること」と「コミュニケーションを取ること」が大切だと思います。
自宅療養を続けていると、確かに身体の調子はよくなっていきます。
その反面、心がなかなか安定しないということはありませんか。
「早く復帰したいけれども、不安感が拭えず、再発する気しかしない」状態です。
リヴァトレを利用することで、自信を取り戻し、考え方も変わり(というより、色々な人の意見を聞いて色々な考え方を知った)、復帰に対して楽観的に思えるようになりました。
「リワークなんて意味あるのか?」と懐疑的に思いながらも利用を始めたリヴァトレでしたが、リヴァトレを勧めてくださった主治医にも、リヴァトレというサービスを提供してくれているリヴァにも、今はとても感謝しています。
リヴァトレのホームページにも記載がありましたが、「戻ろうではなく、進もう!」をテーマに、日々を一人で苦しんで戦っている皆さんもご利用を検討してみてはいかがでしょうか。