【後悔しない漏斗胸手術】成人30代がNuss法を決断した結果!(きっかけ編)
1000人に1人というかなり高い確率で、胸の骨が凹む先天性異常「漏斗胸」と呼ばれる病気があるそうです。
そもそも自分の胸が「漏斗胸」という名前がついているほどたいそうなモノだったことも知りませんでしたが、それを知ったら知ったで、
「え、手術するの?」
「っていうか手術必要なの?」
「手術しないとどうなるの?」
「手術して後悔しないの?」
・・・という思考がぐるぐると巡り、ただ決断するだけでも吐きそうでした(笑)
漏斗胸の手術についてたくさん調べて、日常が手に付かないほど考えすぎて悩まれている方(自分がそうでした)の為に、少しでも気持ちが楽になってもらえたら、何かしらの後押しになれたら、そう思い今に至ります。
また、中にはご自身ではなくお子さんが漏斗胸と診断された方もいらっしゃるかと思います。
私自身も子を持つ親として、また、自分自身が漏斗胸の人生を歩んだ身として、もし自分の子供が漏斗胸になったらどうするのが良いか・・・と考えたりもします。
書き始めなのでどの段階の記事で言及するかはまだわかりませんが、親御さんにとっての判断材料にもなれるように意識しながら記載していきたいと思っています。
ある日突然「漏斗胸」と言われた!漏斗胸のこと調べちゃう?スルーしちゃう?
KIRO選択ポイント
- 胸の骨が他の人より凹んでいて気になる。
- ある日突然「漏斗胸」と言われた。
- 「漏斗胸」のことがいまいちよく分からない。
- 原因不明の心電図異常が発生している。
とりあえず調べちゃいましょう!
先天性とは言え比較的高い確率で誰にでもなり得るものです。自分の状態、症状、将来的な可能性を含めて理解を深め、いまの自分自身が納得できる決断をすることが大切です。
1.【きっかけ】30代で漏斗胸と向き合う
(1)心電図異常のオンパレード
すべての始まりはコレに尽きます、定期健康診断で突如出現しはじめた「心電図異常」。
30歳の頃に突然「ST上昇」という所見が出てきたんですが、「経過観察」でしたし、医者に言わせれば「ST上昇はまぁよくあること」だそうで、特に気にせず放置していました。
それが30代半ばになった頃、
健診結果を見て「おっ?」と思いました。
「ST上昇」からの、
「異常Q波」!
「心筋異常」!
「右心室肥大」!
・・・異常が増えとるがな(笑)、と。
(2)「漏斗胸」と知る
心電図検査の異常所見の原因を調べる為、総合病院(循環器内科)で受診をしました。
心臓エコー検査、心電図検査、血液検査を受け、その結果が伝えられました。
「心臓に異常はありません」
「エコーも正常ですし、例えば右心室肥大ということもありません」
・・・あ、なら良かった。
「漏斗胸が原因の可能性があります」
・・・ロウトキョウ??
ナンスカそれ。
話しを聞いてみると、どうやら、先天的に胸の骨が凹む症状を「漏斗胸」と呼ぶそうです。
いや、人より胸の骨が凹んでいる自覚はありましたが、まさか病名がついていたとは、30年以上生きてきてこのとき初めて知りました。
簡単に説明すると、心電図は心臓の位置によっても検査に影響が出る為、漏斗胸により心臓が圧迫されて位置が正常ではなくなってしまうと、心電図の結果がおかしくなるということです。つまり、漏斗胸が原因による心電図異常というのは、あくまで位置のズレによる検査異常に過ぎないので、心臓そのものには異常はないということです。
問題は、本当に心臓に異常があって心電図検査で引っ掛かったときに、気づかないということです。例えば、現時点で本当に「心筋異常」だったとしても、「どうせ漏斗胸が原因なんでしょ?」と思うだけで特に気にせず終わってしまいます。
循環器の先生が仰っていたのは、健康診断の結果が「要経過観察」ではなくなったら(例えば「要精密検査」になったら)一つの目安として注意するようにとのことでした。
(3)幼少期からこれまで
10代の頃から胸骨が凹んでる自覚はありました。
しかも、不安だったので、中学生の頃に胸骨の凹みについて総合病院で受診したことがあるんですね。
その当時は、
「大がかりな手術になるので、手術をすることは難しい。これが原因で死ぬわけではないから、今健康ならそれでいいのではないか」
と当時の医師には言われて、それで終わりました。
友人から胸骨の凹みについて聞かれても、
「“波動拳”喰らってさ」
「“胸”枕しやすいように」
とか適当なこと返してちょっとしたネタとして利用していたぐらいで、日常生活においては漏斗胸について不便を感じることはありませんでした。
温泉がイヤとか水着になるのがイヤというのも特になく、10代半ば~20歳前後の多感な時期も、皆と一緒に海やプールへと楽しく過ごしていました。
※「人よりちょっと凹んでる」程度の認識でしかなかったので、もし「漏斗胸」なんていう仰々しい名前をつけられていることを当時から知っていたとしたらまた違ったのかもしれません。
ただ、その反面で、運動部なのに異常に持久力がなかったり、あれこれ色々試しても原因が分からなかった現象(症状)がいくつかありましたが、もしかしたら漏斗胸が影響してた可能性もあったのかなーというのは、今になって思うところではあります。
漏斗胸の方のブログ等々をかたっぱしから見ていただくとわかりますが、漏斗胸を見られるのがイヤで温泉に入ることができない方や、プールや海に誘われても「行けない」と仰る方もいらっしゃいます。特に重度になればなるほど見た目から明確に分かってしまう為、コンプレックスとして積み重なった結果、間接的ではありますが性格に影響を及ぼすこともあるかもしれません。
2.現在の状態(漏斗胸のグレード)
診察結果
CT検査の結果としては、漏斗胸のレベルで言うと私は「中度」(どちらかというと軽度寄り)とのことでした。
レベルを表した数値みたいなものも専門医に教えてもらいましたが、「4.??」とのことでした。
※小数点以下は記憶にございません(笑)。機能的な問題が気になっていただけなので、凹み具合を表しただけの数値にあまり興味がなかったというのが正直なところです。
軽度、中度、重度の明確な定義が恐らく医学的にはあるのだと思いますが、色々調べたり先生とお話しをした結果、噛み砕くと以下のような扱いがされていると理解しています。
なお、私自身は医者でもなければ、実際は人それぞれの状態にもよると思いますので、参考程度にご覧ください。
<漏斗胸のレベルの分類>軽度 |
・多くの方が分類される(自覚のない方も含めて)。 ・美容的な側面で手術をすることはある。 ・位置がズレるほどの心臓への圧迫はなく、機能上の問題は特にない。 ・医師から手術を勧めることはない。 ・本人の希望で手術をすることもあるが、基本的には手術をしない。 |
---|---|
中度 |
・心臓への圧迫が認められ、心臓の位置のズレが生じている。 ・大なり小なり心臓に負荷がかかっている。 ・将来的になんらかの心疾患が発生する可能性も0ではない。 ・医師から手術を勧めることはないが、手術するなら早いに越したことはない。 |
重度 |
・心臓への圧迫が大きく、心臓の位置に極端なズレがある。 ・見た目からも重度であることが明確で、大なり小なり心臓に負荷がかかっている。 ・明確に漏斗胸が原因とされる症状が発生している。 ・将来的になんらかの心疾患が発生する可能性も0ではない。 ・医師から手術を勧めることもある。 |
症状(可能性)
漏斗胸持ちあるあるかと勝手に思っていますが、「症状は?」と聞かれると、「分からない」としか答えようがありません。
だって、生まれてこのかたコイツ(漏斗胸)と共に人生を歩んできたんですもの。
コイツ(漏斗胸)の居ない人生なんてアタシ知らないんですもの。
ただ、家族や友人と比較したときに、「どうして自分だけ?」と思うことはあり、漏斗胸が関係していた可能性も0ではないのかな、と思っていることはいくつかあります。
あくまで「可能性」(原因不明)なので、「漏斗胸のせいだ!」という思考は今のところありませんが、現状メモという意味を込めて記載します。
<考えられる主な影響(可能性)>壊滅的な持久力 |
持久力の無さは当時からピカイチでした。運動部に所属していたそれなりに(少なくとも帰宅部の人より)毎日走っていたハズなんですが、持久走になるとなぜか学年ドベを争う持久力でした。
|
---|---|
猫背 |
これは漏斗胸にありがちだそうです。胸を張ると呼吸がしづらくなる為、自然とそうなってしまうようです。私も猫背なんですが、確かに胸を張るとまともに呼吸ができずに息苦しく感じます(肺が膨らみきらない感覚)。そういうものだと思っていたので、周りの人に「胸を張ったら息苦しくなるよね?」と聞いてみたら「全然」と言われて衝撃を受けました。 また、同じ理屈だと思いますが、うつ伏せになると息苦しい(強制的に胸を張って寝ることになる)為、うつ伏せで睡眠を取ることはありません。仰向けでの睡眠はギリ可能ですが、基本的には睡眠時は横向きで丸まっています。 肩凝りが酷いんですが、それも猫背の影響も多少受けてるのかもしれません。 CHECK:猫つながり?
漏斗胸の情報を集めようとすると、「猫」が漏斗胸になったお話しをよく目にします。漏斗胸の人が「猫背」になりがちなことと、「猫」が漏斗胸になるケースが多いこと、なんの因果関係か知りませんがちょっと面白いなと思いました。(←ただの感想ですみません。笑) |
心臓が痛い |
厳密には心臓なのか肺なのかわかりませんが、不定期で胸が痛くなることがあります。痛みの種類で言うと「刺さるような痛み」で、表面ではなく内側(内臓)で起きているような感覚です。数カ月に1回あるかないかの頻度で、すぐに収まるときもあれば、1時間ぐらい痛みが続いて何もできないこともあります。心臓のエコー検査をしましたが「心臓に異常はない」と言われていますので、これに関しては何が起きているのか推測もできない完全に原因不明な症状です。
|
体を捻ると息が漏れる |
ラジオ体操とかで身体を左右に捻る動きがあるかと思いますが、あれをすると「スッスッ」というような感じで勝手に息が漏れる感覚があります。これも普通のことだと思っていたのですが、周りの人に聞くとどうやら普通のことではないらしい(笑)ので、どういうことなのかよくわからない現象の一つです。
|
疲れやすい |
これは社会人になってからの話しですし、理屈上も漏斗胸に全く関係ないんですが、頭痛等々の身体面から、意欲等々の精神面まで、なんらかの症状を感じやすくなりました。また、仕事上、異常に疲れやすくなりました。 低気圧がどうとか、肩こりが酷いからとか、なんらかの原因で血の巡りが悪くなってるんじゃないかとは思っているんですが、現時点では不明ですので一応メモとして残しておきます。大人になって生活習慣が悪化し、自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスが崩れてるのかなーとか考えてはいます。ちなみに、「実は花粉症が発症していてそれが影響しているんじゃないか説」が今の最有力候補です(笑) |
心電図異常 |
敢えてここで書くまでもありませんが、漏斗胸が心電図異常に影響を与えている可能性が高いと医者には言われています。 30歳を過ぎてから心電図異常が出るようになったという点が腑に落ちないところではありますが、年を取って肉付きがよくなってきたことで、心電図検査における心臓の位置のズレが顕著になったということなのかもしれません。 |
結果
調べれば調べるほど、自分がどうすれば良いかわからなくなりました(笑)。
人それぞれ年齢、状態、程度が異なるため、自分の状態を知るためには専門医を受診する必要があります。
ただ、病院では「結論」は与えてくれません。(漏斗胸手術に対して前のめりな人が居たら逆に怖いです)
あくまで判断材料をくれるだけで、決断するのは自分自身になります。
そもそも自分が「軽度」なのか「重度」なのかすらわからないと思いますので、専門医を受診することでそこが明確になるというのは間違いありません。
ただ、実際は「程度」は問題ではなくて、「本人が気になっていること」が一番の問題だと私は思います。
調べた範囲でご自身にとって腹落ちすればそれで良いと思いますし、スッキリせずにモヤモヤが残っているのであれば専門医を受診してみるのも良いと思います。
柔軟な気持ちで、漏斗胸について調べたり、納得できるまでお医者さんからお話しを聞いてみましょう。
当人の気持ちがスッキリさえすればどんな判断でも間違ってないと私は思います。
<次の記事>【後悔しない漏斗胸手術】成人30代がNuss法を決断した結果!(専門医受診編)