適応障害で休職。治る?治らない?復職できる?転職して良い?
「適応障害」と診断され休職しました。
結果的に社会生活を元通り送れるようになったものの、乗り越えるまで本当に辛い日々でした。
同じ状況を送る方々にとって少しでも参考になれるよう、「適応障害の治し方」という観点を交えてそのときに実際に感じたことをご紹介したいと思います。
適応障害で休職。適応障害は治る?治らない?復職する?異動する?転職する?
KIRO選択ポイント
状況ポイント
- 会社に行けなくなり長期休職。
- 診断結果は「適応障害」。
- 原因は「過労」、「人間関係」、等。
- 現状が不安で仕方ない。
- 以前のように正常に社会生活を送りたい。
地獄絵図(当時の状況)
人それぞれ状況は異なるかと思いますが、私自身は「空気の悪い職場(パワハラ等)」と「自分一人ではさばき切れない仕事量」が揃い、『適応障害』になり仕事に行けなくなりました。
適応障害は「新型うつ」という言葉で揶揄され、「忍耐力がない」とか「甘え」とか言われることもあるようですが、その考えは真っ向から否定します。そんなこと思ってる人が居たら・・・
おまえ、いっぺんなってみろ。
仕事に行きたくても行けないこの気持ちを味わってみろ。
とお伝え差し上げます。
以下、その当時の記録です。
仕事をしていないことが不安。毎月貯金が減る一方。生きていけない。
道端で知らない人が怒鳴っている声を聞くだけで怖い。
人と喋るのが辛い。飲みに行っても全然酔わない。楽しめない。帰りたい。
激しい音楽がしんどい。ジャズとかが落ち着く。
頭がボーっとする。集中力も記憶力もない。
夕方に駅に向かうと、仕事で家に帰る人たちとすれ違う。自分は何をしているのか。
頼れる人が誰も居ない。自分でどうにかしなければ。今後どうなるんだろ。
・・・etc…。
もしいま同じような状況の方がいらっしゃいましたら、安心してください。
適応障害は治ります。
安心して、ゆっくり今を休んでください。
復職が難しい場合は、『転職』か『異動』を選択してみる!
※適応障害の場合、環境を変えることが一番の特効薬です。
適応障害の治し方(社会復帰の仕方)
1.良いお医者さんに出会う
心療内科はなかなか初診予約取れないことが多いです。
また、初めての場合、特に希望する病院(医者)もない為、とにかく予約が早く取れた病院に行くかと思います。
雑に言えば「なんか信頼できない医者」です。
その場合は、病院(医者)を変えてしまって良いです。
適応障害と診断された場合、抗不安薬や場合によっては抗うつ薬が服用されるかと思いますが、ものだがものだけに、信頼できない医者から処方された薬を服用しても、別の不安感が発生してしまいます。
「この人に任せとけばいいや」と少しでも思える、自分にとって信頼感のある主治医と治療を進めることが大切です。
2.良い薬に出会う
薬は飲まないで済むなら誰しも飲みたくありませんし、現に、私も初めて薬を服用されたときは、ものすごく嫌悪感と抵抗感があり、服用することがすごくイヤでした。
ただ、効果が強ければ強いほど、副作用も強く出るものです。
個々人で状況が異なりますので、お薬に関しては信頼できる主治医によく相談し、自分でも納得した薬や量を安心して服用することが大切です。
※個人的には最低限必要な効果のある薬を服用しつつ、あとは極力日常生活でカバー(規則正しい生活や運動などで不安感を感じないように生活)することが出来れば良いかなと考えています。
3.規則正しく、無心で休職
規則正しい生活をするというのは、もう鉄則のようなものです。
休職中ということで、早く寝る理由もなければ早く起きる理由もなく生活リズムが破綻しがちですが、規則正しい生活だけは死守しましょう。
その他にも、自分なりのリラックス方法を探します。
例えば、カフェで朝読書でも良いですし、家でカフェミュージックをかけてコーヒーを飲むことでリラックスできるのであればそれでも良し、アロマの香りで気分が落ち着くならそれでも良し、食べ物で効果が得られるのであればそれでも良し。
なんでも構いませんので、自分にとってのリラックス方をいくつか見つけて習慣づけると気持ちが楽になります。
4.休職している今を肯定する
仕事をしていない自分に対して、自己嫌悪に陥るでしょう。
大丈夫です。その感情は、休職している人みんな同じ気持ちです。
そこはもうそういうもんだと開き直ります。
どうせ同じ気持ちなら、むしろ開き直って、考え方を変えて、今を肯定します。
こんなにまとまった時間を取れるのは二度とないかもしれない貴重な期間です。
人生はまだまだ長いです。
自分へのご褒美期間として、これからの人生を歩むための準備期間として、前向きに活用しちゃいます。
5.認知行動療法を受ける
主治医に相談し、認知行動療法を受けてみることを検討してみましょう。
1対1の認知行動療法もあれば、グループで行う集団認知行動療法があります。
人それぞれには考え方(受け取り方、認知)に「癖」のようなものがあり、適応障害になる人はその癖がマイナスの方向に動いてしまっていることが原因である可能性があります。
認知行動療法についての詳細な説明は割愛しますが、その「考え方の癖」をコントロールする為の訓練と思っていただければ良いかと思います。
そもそもの効果の有無や、対面か集団のどちらの認知行動療法が合っているか、受けるタイミングはいつが良いか、・・・等は、適応障害になった原因や状況によりますので、主治医と話し合ってみてください。
現状を楽にするという意図はもちろんありますが、どちらかというと、「再発をさせないための力をつけるもの」という色が強いという理解です。
6.職場復帰訓練(リワーク)を利用する
生活リズムを整え社会復帰への準備をするという意味で、復職訓練を受けることは良いことです。
休職中は、ほぼストレスフリーな状態となっています。
休息する為の休職ですのでそれが正しい状態ではありますが、社会復帰を意識した際には、ストレス耐性が低下しすぎている状態ともいえます。
その為、リワーク施設などで自立訓練を受け、一段階だけでもストレス耐性を強めることで、スムーズな社会復帰に繋がりやすくなります。
また、同じような境遇の方々が集まる為、気持ちを共感しあうことができ、「こうやって辛い思いをして頑張ってるのは自分一人だけではないんだ」ということを知ることができます。
リワークのプログラム内容については施設ごとに異なりますが、デスクワークやグループワーク等を通じて職場復帰に向けてのウォーミングアップを行うプログラムであったり、体調を整える為に軽い運動を行うプログラムが組まれていたりします。
集団認知行動療法をリワークプログラムに取り入れているケースもあります。
<ご参考>
7.『転職』や『部署異動』も視野に入れる
まずは冷静な判断ができる状態になるまでゆっくり休みます。
その上で、自分の気持ちに正直になってみます。
自分自身が復職を望んでいる状況であれば復職に向けてできる準備を整えていきます。
元居た場所に復職したくないのであれば、部署異動を行うことも効果的です。
「適応障害」という言葉が意味する通り、原因が除去されない限り、治ったと思って復職しても再発します。
そして、その原因を思い出してしまう要素が「職場」にリンクされてしまっている為、簡易的な環境変化だけでは復職しても原因が除去しきれていない可能性が高いです。
状況による部分もありますが、「転職」や「異動」等の思い切った環境変化も視野に入れ、全く新しい気持ちで一歩を進むことで、気持ちが前に向かって進みやすいです。
【ご参考】休職していたことは転職先にバレるのか
結果
原因さえ除去されれば、適応障害は治ります。
色々思うことはありましたが、最終的には転職することを決断しました。
※もし転職を選択する場合は、転職先が決まってから現職を退職するようにしましょう。
焦って退職を先行させず、今の会社からは「ゆっくり考える期間をもらっている」という解釈で在籍しておけば良いです。
転職ビジョンとしては、まずは「給料は落として良いから、とにかく社会復帰が最優先で残業がほぼ無い和やかな職場に転職すること」でした。
そこで体調を元に戻してから、また「仕事」に挑戦したくなったら、そのときまた改めて転職しようと考えました。
転職活動は正直なかなかうまくいかず、苦労して何社も受けて、ようやく一社から内定の連絡が届きました。
外出中、転職エージェントから内定連絡の電話があったのですが、心からホッと安心して外出先で号泣したことを鮮明に覚えています。
転職した結果、
再発して休職するようなこともなく、以前と同じように新しい職場で仕事ができるようになりました。
転職してはじめの半年間ぐらいは若干浮き沈みを感じることはありましたが、それは仕方ないものとして割り切り上手くコントロールしながら過ごしました。
気づけば薬を飲む必要も一切なくなり、完全に元通りに仕事をするようになっていました。